応援団を失わないように

ある異業種交流会でのことです。そこは友人が主催している内輪だけの小さな交流会。主催者はビジネスに真面目に取り組んでいる若手経営者。参加者の皆さんも、彼に負けず真面目な方ばかりでした。

業種はさまざまですが、取り扱う商品・サービスへの思い入れは半端ではありません。下手をすると埋没してしまいそうな商品やサービスに手をかけて差別化していることが、言葉の端から伝わってきます。似たような商品・サービスを取り扱う業者さんは山ほどあるけれど、いざ買う時には、ここに集う皆さんから買いたいと思わせるお話でした。

中でも、ある食品関連卸売業を営む社長さんのお話は、心に残りました。日本に古くからある食品であっても、今は工業化の時代、伝統製法による製品は急速に減っています。彼は、伝統製法による製品を専門に取り扱うことにより、それを後代に残そうとしているのです。

そのお話、とても印象に残ったので会の後に改めてご挨拶しました。その社長さんが取り扱う食品以外でも同様な話を聞いたことがあるとお話したのです。すると意外な反応が。

私としては、伝統製法を守る食品がどんどん減ってきていることを、その社長は憂いているのではないかと思ったのです。しかし、たまたま気持ちが向いていなかったからか、彼はその話に関心を示しませんでした。

少し気を悪くしているかのような様子でもありました。もしかしたらご自分が取り扱う商品の話ではなく、別の商品を話題にしたからかもしれません。

「そうか、間違った話題を持ち出してしまったのかも」と反省しましたが、あとの祭り。しらっとした雰囲気が残ってしまいました。彼のビジネスを応援しようという気持ちが萎えてしまったのは、言うまでもありません。
交流会は、自分のビジネスの応援団を募る場所ではないかと感じています。相手から声をかけてくれる人がいたら、その人は内心、応援団になろうと思い近寄ってくれていると思われます。こんなにありがたいことはありません。

そういう人に、是非とも、本物の応援団になってもらいたいですね。

相手から近寄ってきてくれた人が「あれ、思っていたのとは違うな」と感じてしまうと、せっかくの応援団が離れていってしまうかもしれません。それはとても、もったいないことです。
同じことは、社員と接する時にも言えるかも知れません。

社員から声をかけてくれた場合に、(それが本当に思慮を欠くものでも)声をかけてくれたことを喜んで、話題を続けるのが良いと思います。社員を応援団にするのです。

本物社長になりたい二代目社長は、是非、気を付けてみてください。



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