信用保証制度見直しの影響

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新年、あけましておめでとうございます。今年も皆さまの事業が益々、ご繁栄されるされるよう、お祈り申し上げます(この記事は2016年頭にお送りした記事をベースにしています)。

 

今、中小企業を巡る環境が大きく変わろうとしているようですね。もう既にご存じの方も多いと思います。信用保証制度における大きな改革が検討されているそうです(日経新聞記事)。

 

信用保証は、中小企業が資金調達するに当たって広く活用されている制度です。中小企業は、大企業ほどの信用力は持ち合わせていないので、十分な担保が提供できる場合を除いて金融機関からの資金借入が難しいとの事情がありました。そのような中小企業を支援するため各都道府県などに信用保証協会が設立され、それが中小企業の保証人になることで資金調達を円滑化していたのです。

 

信用保証制度は、2007年度の抜本改正以前は100%保証する、すなわち中小企業が返済できなくなった場合には残額の全額を金融機関に対して支払う(代位弁済する)という制度でした。しかし、全額が補填されると金融機関が中小企業を十分に審査・支援する動機が失われてしまうと指摘され、2007年の制度改正で、特別な政策目的がある場合を除いて代位弁済額を残額の80%に止め、残りは金融機関が負担することとなりました。これにより、金融機関に適正な審査や支援を促すこととされたのです(保証協会連合会解説記事)。

 

報道によると、現在、金融機関の負担割合を最大で50%とすることが検討されているようです。また、今までは補填割合(80%)は、利用される保証制度により差が付けられていましたが、現在検討されている案では、企業の成長段階によって差が付けられることになりそうです。業歴が長いほど金融機関の負担割合を増加させるというものだと考えられます。

 

この改正は、中小企業向けの金融支援のあり方を根幹から変えるインパクトがあると思われます。これまで信用保証制度は、業歴が長いけれどなかなか業績があがらない企業の拠り所という意味合いが少なくなかったと思われます。しかし、今回検討されているの改正が現実化すると、そのような企業に対する信用保証の填補率が下がります。つまり、金融機関の負担部分が大きくなるということで、今まで以上に厳格な審査がなされるでしょう。融資を受けにくくなる企業も少なからず出てくると思われます。

 

この改正案について、収益力の弱い中小企業の切り捨てにつながるとの意見があるかもしれません。しかし、もし融資を受けられても、一方で企業が自助努力で収益力を改善しなければ、どんどんと借金が膨らむばかりとなり倒産に繋がりかねません。そういう側面に目を向けると、今回の案は、収益力が低いという状況に対して借金という対処療法ではなく、収益力のアップという根治療法に目を向けるよう促すという意味合いがあると思われます。

 

このような改正が検討されていることにどんな意味があるでしょうか?2つの意味合いが、あるのではないかと思われます。

一つは、融資を受けるための支援が、より重要になってくるということです。これまで金融機関は、信用保証協会の保証が受けられるなら一定のリスクヘッジができるので、比較的シンプルな審査で融資を決定できたのではないかと思われます。しかし、この案が実現すれば、例え信用保証付きであっても真摯な融資判断が必要になります。と言いながら、金融機関にとっては、そのための情報収集等をする時間や人的資源が十分にある訳ではありません。勢い、きちんと情報開示できる企業が融資を受けやすくなります。これを支援するコンサルの必要性が高まるのです。

もう一つは、収益力を高めるための支援が、本格的に求められてくるということです。今回の信用保証制度の見直しは、先程も申したとおり、中小企業に収益力向上に真摯に取り組むよう促すという意味合いがあると思われます。若干の金融支援を得ながら対策をとる時間を得、その間に収益力を高めるというのが理想的な姿です。もちろん、収益力の向上はすぐに得られるものではありません。しかし、難しいからといって取り組まなければ、いつまでたっても向上することはないでしょう。今回の見直しによりそれが半ば強制的に求められるということで、それゆえ、コンサルがクライアントの収益力にコミットメントする場面が多くなることが予想されます。

収益力の向上は、

収益 = 売上 マイナス コスト

で測られることからも分かるように、販売力強化とコスト削減の2方向から実現できます。特にコスト削減は奥が深く、よく言われる「仕入原価削減」や「経費削減」だけでなく、生産や販売、サービスなどの付加価値を生む活動を効率化することからも実現できます。つまり、どんな分野で活躍するコンサルでも、コスト削減に貢献できる場面があるし、それが求められているということです。

 

このように、信用保証制度の見直しは、企業そして支援者にとって大きな環境変化に繋がる可能性があります。この変化を、チャンスに変えない手はありません。今年一年、より一層、活躍のチャンスを模索するかどうかが、今後を左右する可能性があります。

今年も頑張ってまいりましょう!



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